
2008年4月13日(日)総本部道場において車椅子空手の技術講習会が開催され、北海道から九州まで障害者を含め約30名の受講者が集まった。車椅子空手は、両足で立って行う空手とは異なり足を使うことができない。そのため、床をつかんで踏ん張ったり、ふらつかないように力を入れたりすることができない。
したがって、力が入りにくく技を出すのがとても難しい。更には足の代わりとなるのが車輪であるため、コロコロと転がってしまう。普通に乗っている時は安定を保てるが、技を出す際に力を入れようとすると車輪が転がり不安定になり、力一杯の攻撃をすることができない。普段車椅子に乗っていない人が車椅子空手を教えようするのは困難なことである。
そこで、今回の車椅子講習会では車椅子で空手をやる人の気持ちを理解する、そしてそれを理解した上でどのようなことに注意して指導をしていけば良いかということを各々が見つけ出していくということを念頭におき、開催された。
@車椅子に乗りながら前後左右に動いたり、また回転したりする操車の方法 小刻みに車輪を動かす「刻み操車」。腕を小刻みに動かすため、10メートルも進むと腕がかなり疲れる。大きく車輪を回して放輪する「放輪操車」。放輪した後は車椅子がまっすぐに進まなくてとても難しい。この他にも色々な操車の練習を行った。うまく回転できなかったり、大きく前に進めなかったりと、思った以上に難しい。操車の名前等初めて知ったという人も多くいた。
A基本(突き、受け、打ち技) その場でただ腕を伸ばして突いても相手に届かない。上体を少し前に倒すようにし、更には肩を大きく前に出して突く。受け技や打ち技も同様に行う。どんな技も伸びのある技を出すよう心がける。しかし、大きく出せば出すほど車輪が動いて力が入りにくくなってしまう。車輪の動き方、そして力の入れ方、両方を考えながら技を出さなくてはいけない。
だが、障害の度合いによっては上体を大きく使うことも困難な場合がある。その場合は相手を掴んで引き込みながら攻撃したり、その人の状態によって色々な可能性を考えながら、技の組み立てにも反映させる。
B型(初輪、二輪)
@、Aで行ったいろいろな突き、受け、打ち、また操車の組合せとなっているのが型である。技を覚えるだけでも一苦労であるが、それに加えて操車の仕方まで覚えないといけないとなると、本当に複雑になる。
C基本組手
基本練習の時に行った肩の使い方を、ここで実践的に行う。実際に相手をおいて攻撃をするとわかるが、その場では届かない。遠くにまた大きく身体を使って技をかける。
実際に障害がある方の中には、上体に力を入れることができず身体を大きく使うことができないという場合がある。そのような時は、相手の腕を自分の方に引き寄せて攻撃をかけるようにする。各々の身体にあった技のかけ方で行う。
D自由組手につながるレクリエーションの紹介
両者、拳サポーターを膝の上に置き、相手に奪われないよう前後左右に動く。後ろに回ったり、前に行くふりをしてその場で回転したり、フェイントを使ったりと大人も真剣になってしまう。
講習会では、足が不自由で力が入りにくい人の気持ちを理解できるように、車椅子の上に正座して技を出す練習も行い、初めてそういった練習をした受講者の中には、「いつも普通に乗って練習するときよりも力が入らない。障害がある人の大変さがわかった。」と言う声も聞かれた。
7月26日(土)27日(日)には国立代々木競技場第二体育館で全国車椅子空手道選手権大会が例年通り開催される。また、今回の講習会は、4月19日(土)8時15分〜8時30分にTBSラジオ中村尚登ニュースプラザ 人権TODAYで放送されました。