車椅子空手技術講習会


(2009年3月15日)


2008年4月に引き続き、車椅子空手技術講習会が2009315日(日)に行われた。受講者数25名(障害者1名を含む)、車椅子10台と、前回の2倍の車椅子を用意し、全員が車椅子空手を体験できるようにした。

 当連盟では車椅子空手の発展のため、各支部の指導者全員が車椅子空手を教えられるようにと、このような講習会を開催している。今回集まった受講者も、車椅子の入門者をいつでも受け入れられるよう、メモなどを取り、稽古に励んでいた。

 今回の講習会で行われた内容は、指導員同士で考えたもので、一つの指導案として紹介した。今後も講習会などを通していろいろな人の意見を聞き、車椅子空手の発展に努めて行きたい。


指導者   山口貴史 牧田拓也 松江肇 渡辺由希

講習内容


・操車の仕方
小刻みに車輪を動かす「刻み操車」、車輪を後ろから前におもいきり動かしてそのまま手を放す「放輪操車」などを行った。前に進むのは簡単だが、後ろ向きで進むのは車輪が思うように真っ直ぐに進まず、苦労している人が多かった。また、1,5メートル間隔でポールを置き、ジグザグに進んでいく練習も行った。これは、小さなスペースでもスムーズに進めるための練習である。



・基本
その場での突き、受け、打ち技や、それらをつなげた連続動作などを紹介した。また、移動基本では、止まってから技を出す練習の他に、応用として、車輪を動かしながら技を出す練習を行った。実際に相手が攻撃をしてくることを考えると、止まってから受けたり突いたりするのは遅いため、動きの中での技の出し方を練習した。



・型(初輪、二輪の復習)
前回の講習会で行った初輪と二輪を復習しながら再度確認した。



・型(三輪、四輪)
三輪や四輪は、初輪、二輪とは違い、操車の仕方が複雑になってくる。後進する時、三輪では車輪を前から上に持っていくが、四輪では上から後ろに持っていく。型の中での技は覚えやすいのだが、操車の仕方でつまずく人が多かった。




・組手
@2人共車椅子に乗り、お互いの膝の上に拳サポーターを置く。相手の拳サポーターを取ったら勝ちで、取られないようにうけたり、回り込んだりしても良い。意外と難しく、大人でも真剣になってしまう組手である。




A一人は立ち、一人は車椅子に乗って自由組手を行う。車椅子に乗っている人は立っている人にやられないように、車椅子を利用して相手に突進したり、相手の腕をつかんで関節を取ったりしても良い。実践的に行うことにより、心身共に強くなるようにする。



今回集まった25名の受講者のうち、普段車椅子に乗って生活している人は1名である。他24名は全て健常者であるため、障害者が車椅子に乗って生活し、また空手を行うということがどれ程大変であるかを100%理解することは難しい。しかし、その中でも、実際に車椅子に乗って道路を歩いてみたり、生活したりすることにより、少しでも理解することはできる。健常者が車椅子空手を教えるときも、まずは実際に車椅子に乗り、障害者と同じ目線で行うということから始めなければならない。

障害の階級は人それぞれ異なる。拳を握ることが困難な人もいれば、腕を伸ばす、または振るということが困難な人もいる。「だから空手はできない」と考えるのではなく、その人に合ったスタイルで行うようにすれば良い。少しでも拳が握れるように、少しでも腕が動くように、「だから空手をやる」のである。

健常者の中にも身体が固い人もいれば、筋力がなくて技が極まらない人もいる。しかし、それを少しでも克服できるよう日々稽古に精進している。

そういったことも考慮しながら指導員同士で研究を重ね、基本、型、組手の指導案として今回の講習会で紹介した。今後はこの指導案を基に、多くの人の意見も取り入れながら車椅子空手の本やDVDを作成する。そして少しでも車椅子空手が発展できるように、他のスポーツの車椅子大会なども観る中で更に研究を重ね、松涛連盟車椅子空手道を作り上げていきたいと思う。



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